はじめに
「もしあのとき違う選択をしていたら…」
「人に認められなければ、自分には価値がない」
「もっと頑張らなければ幸せになれない」
「人に認められなければ、自分には価値がない」
「もっと頑張らなければ幸せになれない」
私たちは日々、こうした思い込みに縛られながら生きています。
現実はたしかに厳しい。思い通りにならないことも、理不尽なことも、避けられない失敗もあります。
現実はたしかに厳しい。思い通りにならないことも、理不尽なことも、避けられない失敗もあります。
でも――心理学者アルバート・エリスは言いました。
「現実は厳しい。でも幸せになれる。」
彼が提唱した合理情動行動療法(REBT)は、苦しみをつくり出しているのは”現実”ではなく”信念”だと教えてくれます。
今回はその考え方をわかりやすく解説し、さらに今日から使える実践のヒントをお届けします。
1. アルバート・エリスとREBTとは何か
アルバート・エリスは20世紀を代表する臨床心理学者であり、「認知行動療法」の父とも呼ばれる人物です。
彼の代表的な理論が 合理情動行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy:REBT)。
エリスは「人が苦しむのは出来事そのものではなく、それをどう”解釈”するかだ」と考えたのです。
たとえば…
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上司に叱られた → 「自分はダメだ」と思えば落ち込みが続く
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上司に叱られた → 「成長のチャンスだ」と思えば次につながる
同じ出来事でも、心の中の「信念(Belief)」次第で感情は大きく変わります。
エリスはこれを ABCモデル で整理したんです。
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A(Activating Event) … 出来事や状況
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B(Belief) … 出来事に対する信念や思い込み
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C(Consequence) … その結果生まれる感情や行動
2. 苦しみを生む”非合理的信念”
エリスは、人を苦しめる代表的な思い込みを 非合理的信念 と呼びました。
その典型が「〜すべき」という“べき思考”。
その典型が「〜すべき」という“べき思考”。
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「人から好かれるべき」
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「成功すべき」
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「完璧にやるべき」
これらは一見立派な考えに見えます。
ですが「絶対にそうでなければならない」と思い込むと、現実が違ったときに大きなストレスになりますよね。
たとえば「みんなに好かれるべき」と信じている人は、たった一人に否定されただけで「自分は価値がない」と感じてしまう。
3. 「現実は厳しい」を受け入れる勇気
ではどうすれば、この「非合理的信念」を手放せるのでしょうか?
ほとんどの人は、ここでつまずいて悩むんです。
エリスの答えはシンプルです。
現実は厳しい、でもそれを受け入れる。
人はよく「現実が変われば幸せになれる」と考えます。
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誰かに嫌われることはある
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失敗することもある
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不公平なことも起きる
それを「あり得ない!」「絶対あってはならない!」と思うから苦しいのです。
ここで!考え方をちょっと変えてみてください。
「そういうことも人生にはある」と受け入れれば、苦しみは半分に減ります。
この態度を 無条件の受容 と呼びます。
4. 幸せは「達成」ではなく「過程」にある
エリスの言葉で特に有名なのがこちらです。
多くの人は「夢を叶えたら幸せになれる」と思います。
でも実際は「その夢に向かって挑戦している瞬間」にこそ幸せが宿るものなんです。
資格試験の合格発表の日よりも、毎日一歩ずつ努力していた日々に充実感を覚えたことなどなかったですか?
マラソンのゴールよりも、仲間と汗を流した練習が心に残るなど。
5. 今日からできるREBT的・幸せの練習法
ここからは、エリスの考え方をベースに「現実は厳しい。でも幸せになれる」を体験できる練習法を紹介します。
① 思考を書き換える
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「絶対に失敗してはいけない」 → 「失敗しても学びが残る」
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「人に嫌われてはいけない」 → 「誰にでも好かれる必要はない」
② 口ぐせを変える
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「〜すべき」より「〜できたらいいな」
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「どうしよう…」より「どうすればできる?」
③ 不合理な思い込みをチェックする
夜寝る前に「今日の悩みは”現実”から? それとも”思い込み”から?」と自問するだけで、心は整理されます。
④ 小さな挑戦を楽しむ
達成することより「挑戦している自分」に拍手する。
⑤ 他者に優しくする
不思議なことに、人に与えると自分が癒されます。これも自己超越欲求に通じます。
6. 「現実は厳しい。でも幸せになれる」を生きる
現実は、確かに厳しい。
思い通りにならないことだらけ。
思い通りにならないことだらけ。
でも――だからこそ幸せは「心の持ち方」で決まる。
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苦しみは現実ではなく、自分の信念がつくっている
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非合理的な思い込みを手放せば、心は自由になる
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幸せは結果ではなく、挑戦の過程にある